


| 田島 | 今日は“俺たちニューウェーバー”ってテーマで 木暮にも来てもらったわけだけど。 |
|---|---|
| 木暮 | 俺たちニューウェーバー? |
| 田島 | ウィル・フェレル主演の映画の“俺たちシリーズ” (『俺たちニュースキャスター』など)みたいな感じでさ。 ほら、俺たち“現役”ニューウェーブでしょ。 |
| 木暮 | そんなの初めて聞いたけど(笑)。 でも、まぁこのまま墓場までニューウェーバーでいくつもりだけどね。 |
| ー | 現役ってのはダブルミーニングでいきましょう。 ニューウェーブの“原液”ってことで。 |
| 田島 | そうそう、俺たちが原液だよ。薄めてねえぞ!って。 |
| 木暮 | はははは! |
| ー | お二人ともニューウェーブ直撃世代ですよね。 リアルタイムで「これがニューウェーブだ!」と意識しながら聴いてました? |
| 木暮 | もう超意識してましたよ。 |
| 田島 | 俺も超意識してた!! |
| 木暮 | ニューウェーブって言葉が最先端だったしね。 ニューウェーブ以外は音楽じゃねえって思ってた。 |
| 田島 | 思った! 思った! 耳に入れたくないって感じだったね。 それ以外は全部商業ロックみたいに思ってて。 |
| ー | 当時のメインストリームはといいますと……。 |
| 田島 | EAGLES、あとJOURNEYとか。というより聖子ちゃんとかかな? |
| 木暮 | ああ、歌謡曲全盛だったね。八神純子の『パープルタウン』とか。 |
| ー | で、お二人は具体的にはどういうアーティストを聴いてたんですか? |
| 田島 | 木暮と出会ったころに『音楽なに聴いてる?』って聞いたら WHAM! って言っててさ、うわっ、だせぇ~って思ったんだよね(笑) |
| 木暮 | はははは。田島はかなりニューウェーブど真ん中だったけど、 俺はもうちょっと幅があったんだよ。 |
| 田島 | その頃、WHAM!は理解できなくて。ジョージ・マイケルが あの半ズボン履いてたりするのとか意味わかんなかったもん。 |
| 木暮 | でもね、そういうゲイカルチャーの魅力がわかんない少年の俺でさえも WHAM!の1st『FANTASTIC』には魅了されてね。 あれはホントによく出来てるアルバムだよ。 |
| 田島 | うん。今、聴くとよく出来てると思う。 |
| 木暮 | それまではもっとダークなニューウェーブばっかり聴いてたんだけど、 WHAM!は好きだったなぁ。 |
| ー | 田島さんはどんなのを聴いてたんですか? |
| 田島 | RIP RIG PANICとかだね。 中2か中3くらいの時に『URGH! MUSIC WAR』を聴いて以来、 そういうのばっかり聴いてた。 ただマイケル・シェンカーとAC/DCは例外として聴いてたよ。 |
| ー | それはニューウェーヴ以上に意外だと思われますよ(笑)。 |
| 木暮 | そういう時代だったからね(笑) |
| 田島 | あとは徳間(ジャパン)から出てる Rough Trade ものばっかり聴いてた。 高校一年くらいの頃に郡山にヤンレイっていうレコード屋が出来てね。 そこのお店の人がいろいろ教えてくれたんだよ。 Rough Tradeのエサ箱がガーッってあってさ、それを漁りながらあれもほしい! これもほしい!って。 |
| 木暮 | 高くて買えなかったねー。 |
| 田島 | だからジャケを見て音を想像してね。 YOUNG MARBLE GIANTS とかさ『この子供の絵はなんだ?』みたいなね。 |
| 木暮 | やっぱり情報源がほとんどなくて『FOOL’S MATE』と、 あとはまぁホントにたまーーにTVでそういう映像が映るくらい。 |
| 田島 | でも、『FOOL'S MATE』が手に入るようになったのもずいぶん後になってからだよね。 でっかい書店に行かないとなかったよ。 |
| 木暮 | あとファンジンとか、『ZIG ZAG EAST』ね。 |
| 田島 | 『ZIG ZAG EAST』なんか初めて見た時興奮したよね! |
| 木暮 | 興奮した! 表紙がスージー・スーとかでね。 |
| 田島 | カッコいい!!ってね。『ROCK MAGAZINE』ってのもあってさ、 東京に行ったときに買ったりして。くらーい雑誌でね。 あと郡山にブルース喫茶とジャズ喫茶があってそこにもあったよね。 |
| ー | では、主な情報発信源もそれらの喫茶店とヤンレイだったのですね。 |
| 田島 | そう。THE CURE の『Pornography』をレコード屋でかけてくれてさ、 新譜として聴いたんだよね。一曲目のイントロのダダダダ ダッ……って ドラムでもうやられちゃって! |
| 木暮 | 『血に塗られた100年』ね! あのリズムパターンでもうノックアウトされたよね。 |
| 田島 | そうそう!『One Hundred Years』。なんだ、これ! かっこいい! タムに水はってるよ!って大騒ぎして。 ジャケもメンバーのシルエットしか写ってなくて、 ロバート・スミスが髪の毛がもうすんごいことになってるんだよ。 こいつどんな奴なんだろう?って(笑) |
| 木暮 | ロバート・スミスはもうあの頃のニューウェーブ・スターだったからね。 |
| 田島 | 木暮はCUREに関してはすごかったからね。 |
| 木暮 | もうね、自称キュアーチルドレン! |
| 田島 | わははは! |
| 木暮 | 他に誰もそんなこと言ってないけどね。初来日も行ったし。 学校早退して新幹線に乗って中野サンプラザまで。 |
| ー | すごい! 周りでニューウェーブを聴いてる人はけっこういたんですか? |
| 田島 | 5人くらいだったかな? |
| ー | 時代はニューウェーブってことは、 すでにパンクは古いものになってたんでしょうか。 |
| 田島 | いや、っていうかパンクを聴いてる人って限られてたから、 ほとんど知らないってかんじだったね |
| ー | なるほど。では、そんなニューウェーブのどこに魅かれたのかを教えてください。 |
| 木暮 | 感覚として、毎月のようにカッコよくて凄い人たちが 次から次へと新しく出てきてた時代なんだよね。 今月はこれか! 今月はあれかよ! みたいな。 |
| 田島 | 郡山に住んでるから動いてる映像なんかみれないし、余計に熱くなったよね。 |
| 木暮 | 妄想がマックスに広がったもんね。 東京の人より熱い気持ちをもってたと思うよ。 |
| 田島 | みんなカッコよかったもん。P.i.L も初めて『Metal Box』を聴いた時 はなんだこれ!って思ったし。やっぱね、もう圧倒的なカッコよさだよね。 新しすぎ! みたいな。 |
| 木暮 | 新しいし、わけわかんないし、それを何としてでも情報を仕入れたいっていう情熱があった。 |
| ー | 今、ロンドンは凄いことになってるんだみたいな妄想もあったでしょ? |
| 木暮 | も~う頭の中はすごいことになってたね。ロンドンに対する憧れで。 |
| ー | 『ロンドンに行きたい』って本もありましたね。 |
| 木暮 | いまだにもってるよ。いまだに憧れがあるし。 |
| ー | その前のロックとはどこが違いましたか? |
| 田島 | その前は芸としてのロックっていうかさ、ギターがうまくなきゃいけないみたいなね。 みんながLED ZEPPELINとかDEEP PURPLE みたいな方向にいて、 ジャズと融合されてフュージョンみたいになっていって……って感じだったんだけど、 なんかつまんないとこがあってね。そうじゃなくてもうなにやってもいいんだ! むしろ正反対なことやるのがクール!みたいな、それがニューウェーブ。 |
| 木暮 | とにかく人と違うことをやるのが一番クールみたいな時代だもんね |